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業界インタビュー

NTTレゾナント メディア事業部 「緑のgoo」

2007/11/21

検索を利用するだけで、その収益の15%相当が環境団体に寄付される「緑のgoo」がスタートして約3ヶ月。着々と「gooの木」は成長を見せている。数々の企業が環境に対する取組みを派手にアピールする中、あくまでユーザを主体として地道な活動を続ける「緑のgoo」についてうかがった。

聞き手

デジパ:畠山

畠山

デジパでは2007年7月1日から使用電力の半分を「グリーン電力(自然エネルギー)」でまかなっていたり(参考記事)、またエコ製品の積極的導入などのグリーン調達、あるいは「エコひいき.net」というサイトを立ち上げる等、さまざまな環境に対する取組みを推進しているところですが、そのなかで、できることから始める、身近な環境貢献活動という「緑のgoo」に大変興味を持っています。これはどういった経緯でスタートしたものですか。

永井

私と澤村は検索の担当で、ウェブ検索の利便性向上に日々取り組んでいます。競合他社さんもいる中で、より「gooウェブ検索」を使って頂くために、どういうキッカケを作るかということを考えていました。ここ1〜2年は、機能強化など差別化のポイントをずっと探っていのですが、機能強化で差別化をはかってもなかなか成果を図りづらい状況にありました。

もっと何か付加価値をご提供できないか探っていたところ、2007年6〜7月頃、澤村が海外で行われていた寄付を行うサイトの活動に着目し、たとえば「検索の結果に表示される広告収益の何パーセントかを環境のために寄付をする。ユーザさんに全く負担をかけずにわれわれが寄付を代行する仕組みはどうだろう」という話になりました。

環境問題に興味を持っていながらも二の足を踏んでいる,環境貢献したいけれど自分で募金することはなかなかできないユーザさんに、情報を調べるという普段あたりまえに行っている行為の中で間接的に環境貢献ができる。「緑のgoo」を使うことでその付加価値を得られるというところで、他社さんをお使いだったり、「goo」を知らなかった方々にわれわれのウェブ検索を使って頂くキッカケを作れるのではないかと考えました。

インタビューの様子写真
(上記画像)左から、NTTレゾナントメディア事業部、検索担当 永井孝久氏、同 澤村正樹氏、広報担当 新地夏代氏

畠山

スタートしてちょうど3ヶ月くらいのところですけど、ユーザさんの反応はいかがですか。

澤村

「goo」では「環境goo」というのをずっとやっていますので、そこから「環境goo」での新しい取組みというイメージもあって予想以上の反応がありました。今回の場合はいわゆる情報を受け取るだけではなく、自分のいつもの行為にもうワンアクション付け加える目新しさもあるようです。

畠山

「gooの木」もずいぶん成長してますね。

永井

おかげさまで日々(笑)。

今回の企画に関して、ユーザさんに利用して頂くための広報活動はあまり行っていなかったんですね。この企画でどれだけ広がりが出てくるのか、当初想定していなくて、やってみたところ広報活動をあまり行わないにも関わらず、ユーザさんにブログパーツを貼って頂いたり、ツールバーをインストールして頂いたりとか、そういったことを地道に続けて頂けた結果、効果が出ているんだと思います。

畠山

検索するだけで環境貢献できるというのがポイントですね。

澤村

ワンクリック募金のブログパーツというのはあったんですけど、ワンクリック募金の場合は、募金したいという人だけがクリックするわけですが、「緑のgoo」はそういう風に意識しなくても、そのまま検索を使っているだけできてしまいます。かなり敷居を下げている、身近なものにできていると思います。

新地

日常生活でやっていることを何か別のことに置き換えるだけ。置き換えることで何も不便なことはありませんよ、というところがポイントだと思います。

畠山

もちろんポータルとしての価値が高まる相乗効果もありますし。

永井

あとは検索をすればするほど「gooの木」が増えるということろ。ユーザさんにとっては、自分がこれだけ環境に貢献できている、その貢献度合いがフィードバックされる仕組みになっているところがウケているのかなと思います。

畠山

そういうブログパーツをうまく利用されていると思ったのですが、「緑のgoo」は広告クリックしたお金の15%相当が環境団体に寄付される仕組みなので、もしかしたら、意図的にたくさんクリックする人が出てくるとかリスクあると思うのですが。

澤村

過剰クリック、スパムですね。これに関しては、普通の検索の連動広告においてもあるので、その辺りは広告配信側の機能でシステム的にチェックしています。

畠山

いろいろな環境団体の中から、寄付する先をFoE Japanさんにした決め手はどこですか。

永井

寄付先の団体さんが具体的にどういう活動をしているのか分かっていないと、なかなか寄付することはできません。そこで「環境goo」の担当と人的なつながりのある複数の団体さんと話をさせて頂いた中で、「緑のgoo」の趣旨にご理解をいただいたFoE Japanさんにまずは寄付させていただくことになりました。

実際のところを木を植えて二酸化炭素を削減することをやりたいなと考えたのですが、植樹をされている人たちと会ったところ、企業が寄付する際に「植樹に寄付させてくれ」とか「動物保護に寄付させてほしい」という要望を出されることがあるのですが、実際に行うには人件費や雑費に非常にお金がかかってしまい、事実上特定の目的だけに寄付されても難しい現状があるというお話を頂きました。そこで団体さんの活動自体に賛同して、寄付したお金は活動全体に活かして頂くというカタチにしています。

畠山

FoE Japanさんだけでなく、ほかの団体にも寄付するのでしょうか。

永井

今後「環境goo」の担当者と相談しながら、いくつかの団体さんへの寄付を行っていこうと思っています。やはり団体さんによって活動内容が異なり、たとえば森林の保護をやっていたり、FOE Japanさんでは中国の砂漠緑化をやっていたりするので、いくつかの団体さんに順番に寄付していくカタチにしようかなと思っています。

畠山

ところで現在「環境goo」の利用者数はどれくらいなのでしょうか。

新地

「環境goo」は月間で268万PV(ページビュー)、59万UU(ユニークユーザー)です。「環境goo」のスタートは1999年と古く、いまでこそ環境に対する取組みは企業の社会貢献ということで雑誌に取り上げられたりと、大々的にやっていますが、当初は世間の環境に対する意識も低く、どのように情報発信していくか苦労しました(笑)

永井

「緑のgoo」に関しては「gooの木」の値に100をかけたあたりがおおよその利用回数になります。われわれもどれくらい利用されるのか予想できなかったのですが、日々じわじわ上がっている状況です。最近ですと、「緑のgoo」のブログパーツを配したブログのテンプレートを「gooブログ」の公式テンプレート集に入れて公開したところ、すぐに「緑のgoo」にある参加ブログ一覧ページにそのテンプレートのブログがずらっと並ぶようになりました。

澤村

逆にいうとブログパーツって一般の方には貼るのが難しいものなんです。ある程度の知識が必要になりますので。「gooブログ」にはそういうテンプレートがあるのですが、他社のブログにもつぎつぎと貼られているので、ご賛同頂いているユーザの方はまだまだ増えてくると思っています。

永井

ユーザさんは特に理由なく、なにげなく普段の検索を使っています。今乗り換える理由もなければ、変えても特段不便ではないという方々がほとんどです。ちょっとした付加価値を提供することで、われわれのサービスを使って頂けるという結果がでてきていますね。

インタビューの様子写真

畠山

徐々に、じわじわとという感じでしょうか。

澤村

共感頂いている方が徐々に増えているので、よい兆しだと思っています。われわれとしても普段使って頂けるものに選ばれることが一番良いと思っていますので。

永井

あとは継続的にこの企画を続けていくということ。最初われわれこの企画を考えたときに上の者から「こういった取込みをする大前提というのは一過性のものでは終ってはダメ」と言われていますし。長いスパンでこのサービスを作り上げていかなければならないと考えています。

畠山

それでプロモーションも控えめだったのですね。

澤村

多少やっていますが(笑)。

ただ「そんなにプロモーションにかけるお金があるなら寄付しろよ」みたいな話になってしまうので(笑)

新地

テーマがテーマですので、大々的なプロモーションを行ってユーザさんに参加を促すよりは、気づいたユーザさんが自らの意思で乗り換えて頂いて、使って頂くという方向性。「緑のgoo」の趣旨に賛同頂いたユーザさんが使って頂くという観点から、今のカタチがいいのかなと思っています。キャンペーンなどを行うとどうしても一過性のものとしての傾向が強くなりますので。

永井

「緑のgoo」の企画は、検索をするだけで寄付の流れができるという面白さと、もうひとつユーザさんに検索サービスをスイッチして頂く、使って頂くキッカケを与えるために外部の導線ですね。たとえばプログパーツとかスティックとかウィジェットとか。「goo」のドメインにアクセスして頂かなくてもこのサービスが使えることことをより多くする。ユーザへの接点を増やすという目的で、現状あるラインナップのサービス以外ものもこれから提供していければと思っています。

澤村

ユーザさんが使っているとき「環境に貢献しているんだ」という気持ちになって頂けるものを提供していきたいですが、単なるツールに終らないような何かを生み出していきたいなと思っています。

インターネットのサービスをつくるということはユーザさんのできることを増やすということなので、ユーザさんが何気ないところから寄付できる、社会貢献できる仕組みをつくるのがテーマですから。

新地

いわゆるCSR(Corporate Social Responsibility / 企業の社会的責任)的取り組みというのは会社、企業として「社会貢献しています」ということですが、今回のはそうではなくて、ユーザさんが環境貢献というテーマに対して簡単に取り組めるひとつの切り口を、弊社の方からウェブ検索というカタチでご提供させて頂いている、とご理解頂ければと思います。

畠山

ブログの普及で多くの人が情報発信するようになったことも大きいですね。

澤村

今回の企画はブログがこれだけ普及して、ユーザさんの力があるからこそできたことです。ブログで自分のスタンスとして環境というテーマを発信していく、まさにユーザさんが主体となる流れのひとつのカタチです。それがエコバックのようにスタイルとして確立していくといいですね。

畠山

Web2.0的という感じでしょうか。

澤村

いろいろな含みがあるワードですけど(笑)、おそらくそう思います。

畠山

それと「緑のgoo」でつながるお友達というのもできるといいですね。

澤村

次の段階では、そういうユーザさん同士のコミュニティのキッカケになればいいと思うのですけど、いま検討段階ですね。

永井

参加ブログの一覧も出ていますが、われわれが「これだけ使われていますよ」とアピールするのではなくて、そこに載っている人たちがつながっているというのを、できればやってみたいと思います。何か良い仕組みを考えたいと思います。われわれは仕組みを提供する立場で、ユーザの皆さんが主役ですから。

畠山

お忙しい中ありがとうございました。

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